違法薬物のこと

違法薬物等に関するQ&A

違法薬物等に関するよくあるご質問をQ&A形式でまとめました

どのくらい使えば依存症になるのでしょうか。
どのような薬物であれ、一回使ったらすぐに依存症になるというわけではありません。
最初、人は偶然のなかで薬物と出会い、様々な理由からそれをくりかえし使うようになります。たとえば、日々の生活のなかで一息つくときに疲れを癒やしたり、嫌なことを忘れたりするために、あるいは、仕事に対する意欲やセックスの活力を高めて、本来よりも自分を「大きく」「強く」「優れている」ように見せるために、薬物を使います。若い人のなかには、「自分には友だちがたくさんいる」「みんなとうまくやれている」「好かれている、愛されている」「軽く見られていない」という感覚を保ちたくて、勧められた薬物を断らなかった人もいるかもしれません。とにかく最初のうちは、薬物は自分の不足を補ってくれる面があったのでしょう。
しかし、あるときふと気がつくと、薬物なしでは、以前よりも疲れて全身がだるく何も意欲がわかなくなっている自分、あるいは、薬物なしでは本来よりも「小さく」「弱く」「だめな」自分に気がつきます。正確にいえば、どこかでこうした事態に気がつきながらも、薬物依存者は、「まだ大丈夫」「その気になればいつでも止められる」と自分で自分をだましています。さらに、薬物のために周囲にたくさんの嘘をつき、大切な人との約束を破るようになり、生活は乱れ、人間関係は破綻していきます。もはやこの段階では、薬物が生活習慣に深く入り込み、薬物による心理的社会的な問題が生じているのです。依存症とはこういった状態です。
それでは、一回くらいならば薬物を使っても問題ないといえるのでしょうか。もちろん、そうではありません。全く薬物を使ったことのない人と一回使ったことがある人とでは、次に薬物を使う可能性には雲泥の差があります。その差は、一回使ったことのある人と二回使ったことのある人とで同じ比較をした場合では、とうてい比較にならないほどの圧倒的なものです。
最初の一回に手を出すことで、多くの人はそれまでと違う物の考え方・感じ方をするようになります。後に薬物依存症となった方のなかで、最初の一回のとき、「なんだ、たいしたことないじゃないか」「特に危なくもなさそうだ」「これくらいなら自分でコントロールできる」と感じたという人は意外に多いのです。こんな具合に事実を自分に都合良く歪めてとらえ、いわば「自分で自分をだます」のが、依存症者の特徴ですが、最初の一回の時点で、こうした特徴が早くも芽吹いていることが少なくないというのは、ぜひとも強調しておきたい点です。
息子が薬物をやっていることを知りました。
私たちの育て方が原因なのでしょうか。
世の中に完璧な親はいません。あなた方のこどもの育て方に何か問題はあったかもしれませんが、それだけで子どもが薬物を乱用するわけではありません。むしろ親は一番身近で影響力のある援助者なのです。これからどうしていくのがよいのか、前向きに自分たちのこれまでの対応の仕方を総点検してみることが必要です。
ご家族が、「自分たちの育て方が悪かった」と自分たちを責めれば責めるほど、ご本人の様々な要求にふりまわされてしまい、結果的に、ご本人の薬物使用を支えてしまうことが多いことを忘れないでください。
まずは、家族が精神保健福祉センターの薬物依存家族教室や家族の自助グループに参加して、薬物依存症に関する知識と理解を深め、これからの対応について学ぶことが大切です。
薬物を使用して暴れているが、どうしたらよいですか。
入院させてもらえますか。それとも、警察に連絡をした方がよいのでしょうか。
まず、最寄りの保健所、もしくは各都道府県にある精神保健編祉センターに相談してみましょう。薬物乱用の影響がどのような程度であるかを見きわめることが大切です。それにまた、いきなり精神科病院に相談しても、病院によっては「薬物」と聞いただけで断られてしまうことがあるので、薬物関連問題に対応する病院(たとえば、アルコール依存症の治療経験が豊富な病院など)を知るためには、保健所や精神保健福祉センターに相談することが役立ちます。
もしも、幻覚や妄想などの精神病の症状があるのであれば、入院治療の導入を考える必要があります。単に急性中毒による精神病症状であれば、薬物使用を止めることにより数日で消失するのが普通ですが、なかには覚せい剤を止めて数日から数週を経過しているのに、精神病症状が消えないことがあります。このような慢性中毒の場合には、ご本人が治療を希望するか否かにかかわらず、入院治療をする必要があります。
また、その数は多くはないのですが、ご本人が断薬(薬物を止めていくこと)
したいという動機を固めているのであれば、精神病症状の有無にかかわらす治療への導入を行います。もちろん、興奮が激しく、周囲に危害をもたらしそうなおそれがあれば、警察への連絡を躊躇すべきではありません。
警察に補導されたが、どうしたらよいでしょうか。
大抵、警察から家族に連絡が入り、「本人を迎えに来て、引き取ってくれ」といわれます。そのような場合には、今後薬物に関連した問題が起こった場合の対応について、警察の方とよく話し合っておきましょう。また、依存の程度を診断してもらうために、医療機関を受診するチャンスにする必要もあります。
子どもの年齢が高ければ、その年齢にふさわしい社会的責任を取らせることも考えるべきでしょうが、親の立場にある者にとっては、なかなかその勇気が出にくいものです。子どもがかわいそうだという気持ちと、親の自分にそうさせてしまった責任があるのではないだろうかという自責の気持ちを持っていることが多いからです。それだけに、補導や逮捕は、親子関係を見直したり、本人の薬物問題という現実に親としてどのように向き合うべきかを考える機会です。家族会や家族教室に参加したり、家族みずから、カウンセリングなどを受け続けることも考えてみましょう。
子どもが薬物乱用仲間のところへ行ってしまって、家に戻ってこない。帰ってきても夜遅くであり、
注意すると怒鳴ったり暴力をふるったりして手がつけられない。なんとかして縁を切らせることはできないでしょうか?
薬物を乱用している最中や薬物の影響が強い状態のときには、どんなに家族が親身になって対応しても反発することが多いものです。薬物の影響がなくなって、ご本人と落ち着いて話せそうなタイミングを見つけましょう。
その際には、相手を非難することはできるだけ避け、薬物乱用が健康によくないので心配している親の気持ちを素直に伝えることが大切です。また、興奮や暴力がひどいなどの理由により、そのままつづけば一緒に住めなくなってしまいそうな状況であれば、その旨をきちんと伝えることが必要です。ただし、こうした話をたんなる脅しのつもりでするのであれば、かえって暴力をさそうだけに終わるので、両親で話し合い、親としての気持ちをかためることが必要です。
病院に相談しても、本人を連れてこなければ話にならない、といわれていて、どうにもなりません。
乱用者本人が自ら治療を受ける気になるためには、「底をつく」ことが必要なので、まず家族が、本人をうまく「底つき」に導く方法を習熟することが大切です。「このままではやっていけない。薬物を止めるしかない」と感じ、底をついたときにはじめて、薬物依存症者本人が医療機関に登場するようになるのです。
ですから、最初のうち本人が病院に行こうとしなくとも、まずは家族自身が教育を受け、その対応が変わることでご本人の変化(底つき)を生み、相談へとつながることが可能になります。
どのようにすればご本人にこうした変化を生じさせることができるかを知るには、精神保健福祉センターの家族教室や家族の自助グループに参加し続けることが必要です。
息子の身体がどんどん痩せていくが、このまま放っておいて大丈夫でしょうか。心配です。
「あなたの健康を大変心配している」と素直に伝えることが大切です。難しいことでしょうが、何よりも家族の愛情が一緒に伝えられることが望ましいのです。混乱したときには親の方もなかなか気持ちの整理がつけられないものですし、自信ももてません。まず家族自らが直接専門家に相談したり、自助グループに参加して、依存から回復するということがどういうことなのかをよく知り、回復(あなたの子どもではなく、あなた自身の回復です)の希望を持つことです。
息子が仕事(勉強)もせずにぶらぶらと一日中薬物を使いながら過ごしています。でも、誰に相談したらいいか分かりません。
精神保健福祉センター、保健所、医療機関、警察などに相談窓口があります。ただ、医療機関の場合にはご本人が受診しなければ対応してくれないことが多いですし、警察の場合は、できれば逮捕などの司法的対応を避けたいという、親なればこその気持ちから躊躇してしまうことでしょう。その意味では、まずは、精神保健福祉センターや保健所に相談してみることをおすすめします。
学生の場合には、学校に相談するという選択肢もないわけではありませんが、学校によっては「薬物使用」はただちに退学となってしまうとともあります。ですから、親としては、学校に相談するかどうかを決める前に、まずは子どもが通っている学校が薬物問題に対してどのようにとり組んでいるかを知る必要があるでしょう。
いずれにしても、親としては焦らずじっくりと腰を据えて対応する姿勢が大事です。
薬物を乱用していた仲間がみんな捕まったが、私たちが引き取りを拒否したために、自分の子どもだけが少年院にいくことになって、恨まれています。間違った対応だったのでしょうか?
目先の情勢だけではどの判断がよかったのかどうかは分からないものです。自分の子の将来を長い目で見てやることが必要です。現実に少年院に行くことが必要だという判断がなされるには、長期の乱用・依存の歴史があったり、もしくはその他の犯罪を伴っている場合がほとんどなわけですから。
家庭裁判所の調査官との根気強い話し合いが重要です。
「運転免許をとらせてくれたら薬物を止めるから、金をくれ!」というが、いうとおりにお金を出せば薬物を止めてくれるのでしょうか。
車の運転免許というのは、少年にとって数少ないアイデンティティのひとつです。免許をとって車を持つことが、多くの少年にとってはひとつのあこがれ・勲章であり、大人への登竜門であるわけですが、金を渡すことの意味をご両親がお子様とよく話し合い、協力して当たろうという態勢が重要です。
親が免許証取得のためのお金を出してやって、その後、薬物をぷっつり止めたという話はあまり聞いたことがありません。したがって、いうとおりにしても、その約束が守られるとは考えない方がよいでしょう。そのことをふまえたうえで、よく話し合ってみることです。
もう私自身が参ってしまいそうです。いっそのこと殺してしまいたい!と思うこともあります。どうしたらいいのでしょうか。
今は何よりも、そんな風にせっぱ詰まってしまった自分を救うことが必要です。そのためには、家族自らが自分たちの悩みを相談できる相手が必要です。家族の中だけで問題を抱え込み、家族が孤立してしまえば、ますます本人の状態に一喜一憂してふりまわされ、状況は悪化するばかりです。同じような悩みを抱えている家族は、あなた方だけではありません。精神保健福祉センターや自助グループの家族会に足を運んでみましょう。
子どもの部屋から、薬物らしきものが出てきて動転しています。どうしたらよいでしょうか?
冷静になって、ご本人と今後のことを話し合いましょう。うろたえたり言い争ったりして、際限のないイタチごっこになってしまうことがないようにしてほしいと思います。子どもとしっかりと向き合う絶好のチャンスなのかもしれません。薬物らしきものを発見したときは、慎重な対応が求められることもありますので、困ったときには精神保健福祉センターに相談しましょう。ただし、場合によっては警察や厚生労働省麻薬取締部とのやりとりが必要になる場合もあります。
「もうおまえを家に置いておくことはできない!」と叱ってみますが、子どもは逆ギレして怒鳴り散らし、薬物を買いに行ってしまいます。どうしたらよいでしょうか?
脅かすことで薬物を止めさせようと考えているのであれば、それは無理なことです。ご本人の状態によっては逆効果になりますし、何度も何度もくりかえしているうちに、親のいうことは口先だけなんだと考えるようになります。 もしも本気で一緒に暮らせないと考えるならば、ご両親自らが家を出て行くことも考えなければならないかもしれません。そのようにしてご本人をひとりにして、自分自身のことをゆっくり考える時聞を与えることも、本人を「底つき」に導くことがあります。もちろん、別れて暮らさなくても、ご本人の尻ぬぐいをしないようにすることで、「底つき」に導くことができればよいのですが、そのためには、精神保健福祉センターでの相談と家族教室への参加を継続したり、家族の自助グループに参加することを通じて、対応に関する知識を習得し、家族が多少とも心の余裕を持てるようにするための努力が必要なのです。
「あの子さえ薬物を止めてくれれば、この家もうまくいくのに…」と思ってしまいます。
これまで子どものためと思って、なんとかして薬物を止めさせようと必死にやって来たのに、その結果、子どもはますます薬物にのめり込んでいってしまったのではないでしょうか。親の思惑がことごとく裏目に出てしまったのは、なぜだったのでしょうか。
その理由のひとつには、親の対応方法に間違いがあったということがあげられると思います。子どもが自分の薬物乱用の結果として起こした様々な不祥事や不始末の尻ぬぐいをし、子どもが薬物を使わないようにと、転ばぬ先の杖を出したりすることはありませんでしたか。
そして、こうした間違った対応にどこかで気づいていながらも、子どもの薬物問題に振りまわされるあまり、自分たちの対応や生活を変える余裕が全くなかったのではないでしょうか。
これからは、子どものことをじっと見守りながら、手を出しすぎることなく、自分たちの心に喜びを感じられるような生活を考えて欲しいと思います。そのためには、家族が悩みを抱えて孤立することなく、専門家や同じ問題を抱えた家族と相談することが必要となってきます。
そのような努力のなかで、少しずつご本人は変化をしていくことが多いのです。
子どもが薬物をやっているかどうかは、どのようにしたら分かりますか。
生活の乱れからはじまって、交遊関係、言動の変化、いろいろな精神神経症状や、学校や病院からの情報を集めることにより、多くの場合は早い段階で気がつくことができると思います。しかし、そんなときに大切なことは、家族内のコミュニケーションを保ち、子どもとの親密な関係をなくさないことです。一方的にしかりとばすことはしないで、子どもの考えていることを素直に聞いてみることからはじめましょう。
本人の借金や近隣トラブルの後始末に追い回される毎日です。どうすれば問題行動を止められるのでしょうか。 それから、本人の借金は、私たち家族が返済していかなければならないのでしょうか。
借金、それから暴力暴言や虚言などといった様々な問題行動は、薬物依存症が引き起こす二次的な被害であることが多いと思います。事実、その多くは、薬物依存症からの回復にしたがって、少しすつ消失していくものです。
問題は、どうやって本人にこの「依存症」という障害を自覚させ、その障害から回復するために行動を起こさせるかです。もっとも大切なことは、家族がこれまで知らず知らずに行っていたご本人の尻ぬぐいをやめることです。家族は、自分たちでも気づかないうちに、様々な尻ぬぐいをしているものです。これらの問題に気づくには、精神保健福祉センターで相談して専門家の立場からの意見を聞いたり、家族の自助グループに参加して、同じ問題を抱えながら、薬物依存症と闘ってきた他の家族の体験を聞いたりすることがとても参考になります。
なお、借金については、保証人になっていないかぎり、家族には返済の義務はありませんし、本人自身に対応させるようにすることで、ご本人が自分の「薬物依存症」という障害に気づくことにつながります。
薬物を使うようになってから、本人はまるで別人のように性格が変わってしまいました。かつて優しい息子の面影は、いまはどこを探しても見あたらず、嘘つきでわがまま放題で、家族への気配りなどまったくなく、正直いって、我が子ながら怖いほどです。息子はもう完全におかしくなってしまって、廃人になってしまったのでしょうか。
薬物依存症は、その進行に伴って、本来のその人らしさまで変えてしまいます。これは、依存症による二次的な症状であり、依存症に対する治療を受け、薬物を使わない日々を重ねることによって、少しずつ本来の自分らしさをとりもどしていくことが可能です。
本人の薬物使用をなんとかしてやめさせようと、家族としてできるかぎりの努力をしてきました。本人が精神的なストレスを減らせばよいかと思い、本人が望むことはできるかぎり応えてあげたりもしました。けれども、本人にはいっこうに薬物を止める気配がありません。家族がどのようにかかわれば、本人は薬物を止めるようになるでしょうか。
仮に何らかの精神的ストレスから薬物に手を出したとしても、いったん薬物依存症になってしまうと、いくら原因となったストレスを取り除いても、薬物は止まりません。また、何とかご本人の薬物を止めさせようとして、必死になって説教したり、体罰を加えたり、本人とのあいだで取引や約束をしても、薬物依存症になってしまった以上、薬物はそう簡単に止まるものではありません。多くの場合は、家族がエネルギーを消耗して疲れ切ってしまうだけです。
大切なことは、こうした悩みを家族の中だけで抱え込まないことです。信頼できる専門家や同じ問題を抱えている家族の自助グループに参加して、第三者の視点から意見をもらいながら自分たちの行動を決めていくことが、ご本人の薬物依存症からの回復には非常に役立つのです。
本人がたびたび家の中で暴れます。家具を壊したり、ときには私たちに手をあげることもあります。妄想や幻覚もあるらしく、部屋の中で夜通しひとりごとをしゃべっていたりもします。どうしたらよいですか。
ご本人の暴力に対して、家族が最優先してとらなければならない行動は、自分たちの安全確保です。たびたび暴力的な行動がくりかえされるようならぱ、前もって避難先を確保しておいたり、緊急時にすぐに対応してもらえるようにあらかじめ警察に事情を話しておいたりするなど、事前の対処法を考えておく必要があります。こうした行動はいずれも薬物依存症にもとづく行動であり、治療によって改善するものですが、ご本人に治療を受けるように勧めるのは、ご本人が興奮しているときでは意昧がありません。そうした話は、ご本人が落ち着いた状態のときに、冷静かつ穏やかにするべきです。
家族に危害が加えられたとき、あるいはその危険が高まったときには、とにかくその場から逃げてください。そのうえで警察に支援を要請しましょう。警察官が到着し、精神状態が異常であると判断した場合には、保健所を通じて緊急に精神科医療につなげてくれ、強制的に入院治療となることもあります。こうした手続きをスムーズに進めるためには、日頃から警察に状況を説明しておくとよいでしょう。
ただし、強制的な入院治療に導入されたとしても、ここではあくまでも薬物による中毒性精神病の治療をするだけであるということを忘れてはいけません。やはり根本の問題は薬物依存症であり、この治療は強制的に行うことはできないのです。 ご本人が自分の意志で薬物依存症の治療を受ける気持ちにさせるには、家族が精神保健福祉センターや家族の自助グループでの継続的な相談を行っていくことが役立ちます。
本人が違法薬物を使っていたことが分かり、警察に通報したところ逮捕されてしまいました。本人に恨まれているかと思うと、出所した後また本人が帰ってくることが怖いです。
家族の通報でご本人が刑事処分を受けることは、家族にとっても辛く苦しいことです。
たしかに、ご本人がまだ自分の薬物依存症に向き合えていない段階では、出所後に、家族を責めつづけ、家族に対する「恨み」を理由に薬物を使いつづける場合もないわけではありません。
しかし、忘れないでください。ご本人は何を置いてもまず薬物を使いたいのであって、そのためには理由になりそうなものには何でもしがみつくものです。
実際には、ダルク(民間の薬物依存症リハビリ施設の略)などの施設で回復した薬物依存症者本人たちの体験談を聞いていると、刑務所に入ったことが薬物を止めるためのター二ングポイン卜になったケースや、家族への「恨み」がむしろ生きるバネになったというケースも少なくないことに気がつきます。たとえ、一時的には家族に対する「恨み」の感情にとらわれていても、薬物が止まり正常な考え方が出来るようになると、通報した親の苦しみに気づけるようになったり、薬物を止めるきっかけをつくってくれた家族に対して「感謝」の気持ちを持ったりするようになることも少なくないのです。
通報してしまったということに対する罪悪感で、家族が自分を責めるのは、もう止めましょう。それよりも、逮捕をきっかけにご本人を治療の場に結びつけるために、今自分に何ができるかを考えてください。忘れてはならないのは、逮捕されたり刑務所に入ったりすることは、本人がいままで目を背けていた自分の問題を自覚するきっかけにはなりますが、決してただそれだけで依存症から回復するわけではないということです。何年ものあいだ刑務所の中にいて、その間は薬物を使っていなくても、それは本当の意味で「止めていた」とはいえないのです。本人にとっての「本番」は、社会に戻ってきてからなのです。
ご本人が逮捕され拘留されていたり、刑務所に服役しているときこそ、本人が出てきてからいかに治療につなげていくかを考える時期です。出所後の本人の回復の成否は、ご本人がこうした司法的処遇を受けているあいだに、家族が精神保健福祉センターや家族の自助グループへの相談を継続できていたかどうかにかかっています。

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